海外赴任中、帰国後にもう一度働くために、何かを計画していたのか。
そう聞かれたら、答えは「いいえ」です。
実は、まったくそんなことは決めていませんでした。
ただ、ひとつだけ、ずっと心の中にあった想いがあります。
「自分の力でお金を稼ぎたい」
これは、タイに行ったことで、より強く感じるようになったことでした。
当時の私は、現地で働くためのビザもなく、アルバイトをすることもできない環境にいました。
日本では当たり前のように考えていた「自分で働いて、お金を稼ぐ」ということ。
それができない環境になって初めて、私にとってどれほど大切なことだったのか、深く考えるようになりました。
タイ生活3年目。いつまでもここにはいられない
海外赴任には、任期があります。
わが家も、タイでの生活は3年くらいと聞いていました。
最初は慣れない海外生活に精いっぱい。でも、少しずつ現地での暮らしに慣れてくると、自分自身のこれからにも目を向けられるようになりました。
そして迎えた、タイ生活3年目。
一緒に過ごしてきた友人たちが、2年ほどで次々と本帰国していく姿を見て、改めて感じたことがありました。
「私も、いつまでもここにいられるわけじゃないんだ」
いつか終わりが来る、この海外生活。
だったら、今ここにいる間に、私にできることは何だろう。
そう考えるようになったのです。

タイにいる今、私にできることは何だろう
帰国までの時間が限られていることに、少しずつ焦りを感じるようになった私。
まずは、このタイ生活で自分が学んだこと、できるようになったことを書き出してみました。
すると、いくつかのことが思い浮かびました。
- 簡単なタイ語を使ってローカルなお店に行ったり、バスに乗って自分の行きたい場所へ出かけられるようになったこと。
- 少しでもタイ語が話せるようになったことで、タイの人たちと簡単な会話ができるようになり、自分に自信が生まれたこと。
- 大好きなタイで、自分にも何かできることがあるのではないかと思うようになったこと。
特に、私がやってみたいと思ったのは、タイのローカルなお店の魅力を、日本人に伝えることでした。
日本語が通じないお店でも、ちょっとしたタイ語が分かれば、ぐっと身近に感じられる。
そんな場所を、タイに駐在している日本人の方々にも楽しんでもらいたい。
そして、日本人がローカルなお店を訪れることで、タイの人たちにも喜んでもらえたら。
タイ人も日本人も、双方がハッピーになれるようなことをしたい。
そんな想いが、少しずつ形になっていきました。
知識も経験も十分ではない。でも、ブログを作ってみよう

では、どうやってその魅力を伝えようか。
そこで思いついたのが、ブログでした。
タイに来る前、私はIT企業でWordPressを使ったサイトの更新業務をよく担当していました。
だから、なんとなく「自分でもできるんじゃないかな」と思ったのです。
とはいえ、ブログを一から立ち上げた経験があったわけではありません。
今思えば、特に深く考えることもなく、ブログを作ることを決めていました。
周りに教えてくれる人もいなかったので、分からないことがあればインターネットで調べる。
調べては試し、うまくいかなければまた調べる。
そんなことを繰り返しながら、独学でサイトを作り始めました。
こうして、手探りで始めた私の小さな挑戦。
当時作ったブログがこちらです。
この小さな挑戦が、帰国後の転職活動につながった
実は、このブログが後々、私の転職活動で大きな役割を果たすことになりました。
海外赴任に帯同していた間、私は日本での仕事から離れていました。
帰国後、転職活動をする中で、「タイにいた間、何をしていたのか」を伝える必要がありました。
そこで私は、タイで作ったブログを、自分の経験やスキルを伝えるためのポートフォリオとして活用しました。
タイ語を覚え、自分の足でローカルなお店を訪れ、現地の人たちと交流してきたこと。
そして、自分で考え、調べ、WordPressを使ってサイトを立ち上げたこと。
それらは単なる海外生活の思い出ではなく、私が自分の意思で行動してきた証でもありました。
「タイで何をしていたのか」
それを言葉だけでなく、実際に自分が作ったものを通して伝えることができたのです。
最初から、転職活動に役立てようと思って始めたわけではありません。
ただ、大好きなタイで「今の私にできること」を考え、一歩踏み出した。
あのときの小さな挑戦が、帰国後の私を助けてくれることになるとは、思ってもいませんでした。
今も残るブログ。タイと日本の架け橋になれていたら

そして、もうひとつ。
あのとき作ったブログは、今でもインターネット上に残っていて、読むことができます。
タイで暮らしていた私が、自分の足で訪れ、見つけたローカルなお店や、そこで感じたタイの魅力。
帰国してから時間が経った今でも、あのとき発信した情報が残っていることを、うれしく思います。
当時、私がやりたかったのは、日本人にもっとタイのローカルな魅力を知ってもらい、タイの人たちにも喜んでもらえるようなことでした。
大きなことができたわけではないかもしれません。
それでも、あのブログを通じて、少しでもタイと日本の架け橋になれていたのなら、こんなにうれしいことはありません。
そして今、振り返って思うこと。
海外赴任中、帰国後のキャリアのために何かを計画していたわけではありませんでした。
ただ、大好きなタイで、今の自分にできることをやってみた。
その経験が、思いがけない形で帰国後の私のキャリアにつながりました。
タイと直接つながる仕事ではありませんでしたが、海外生活中に私が取り組んできたことを見て、評価してくれる企業と出会うことができたのです。
海外生活中、キャリアについて焦ったり、何をすればいいのか分からなくなったりすることもあると思います。
でも、最初から帰国後のために何かをしようと考えなくてもいい。
今いる場所で、自分が興味を持ったこと、やってみたいと思ったことに挑戦してみる。
その経験が、いつか自分の可能性を広げてくれるかもしれません。


コメント